「水素ガス吸入」って聞いたことはありますか?
水素は、無味・無臭・無毒のとても小さな分子です。
そのため、体のすみずみにまで届きやすいといわれています。
最近では「抗酸化作用」や「抗炎症作用」が期待され、健康づくりのサポートとして注目されています。
ここでは、水素ガス吸入をセルフケアの一つとして、わかりやすくご紹介します。
※この記事は医療行為を目的としたものではありません。
実際に取り入れる場合は、体調や持病などに応じて専門家に相談してください。
水素ガス吸入ってなに?
水素ガス吸入とは、1〜4%ほどの水素を含んだガスを、鼻や口からゆっくり吸い込む方法です。
専用の機器を使って行います。
水素はとても小さな分子なので、体の中や細胞にスムーズに入り込みやすい性質があります。
水素水を飲むよりも、吸入するほうが体内に取り込む力が高いといわれています。
健康サロンやクリニックなどでも取り入れられており、リラックス目的で使う人が増えています。
抗酸化・抗炎症ってどういうこと?
私たちの体は、エネルギーをつくるときに「活性酸素(かっせいさんそ)」という物質を出します。
これは少しなら体にとって必要なものですが、多くなりすぎると細胞を傷つけてしまいます。
それが原因で、老化が進んだり、生活習慣病のリスクが高くなったりします。
水素は、活性酸素の中でも特に悪さをする「ヒドロキシラジカル」だけを選んで、やさしく取り除いてくれると言われています。
しかも、体に必要な活性酸素には影響を与えにくいのが特長です。
動物の実験では、水素ガスを吸ったことで炎症を起こす物質が減ったという報告もあります。
疲れやすい方やストレスを感じやすい方にとって、体をやさしく整える方法の一つになるかもしれません。
自律神経や血圧にもやさしく作用
ストレスがたまると、自律神経のバランスが崩れやすくなります。
交感神経が強く働きすぎると、血圧が上がったり、ドキドキしたり、眠れなくなったりすることもあります。
ある研究では、ラットに水素ガスを毎日1時間吸わせたところ、
・血圧が下がった
・心拍が落ち着いた
・自律神経のバランスが整った
という結果が出ました。
人を対象とした調査でも、水素を吸ったあとは眠りの質がよくなったという報告があります。
呼吸が深くなり、気持ちも落ち着きやすくなるので、リラックスしたいときに役立ちそうです。
肝臓や血糖値にもいい影響?
肝臓のはたらきを助ける可能性
脂肪肝の人を対象にした研究では、13週間水素ガスを吸入した結果、
・悪玉コレステロール(LDL)の数値が下がった
・肝臓の数値(ASTやALT)がよくなった
という変化が見られました。
脂肪がたまっていた肝臓も、改善の傾向があったそうです。
水素のやさしい抗酸化作用が、肝臓の働きをサポートしているのかもしれません。
血糖値にもやさしい作用
中国で行われた研究では、糖尿病の患者さん1,000人以上に水素ガスを6か月間吸入してもらいました。
その結果、
・血糖値(HbA1c)が下がった
・空腹時の血糖値が改善した
・インスリンの働きがよくなった
という報告が出ています。
しかも、吐き気やお腹の不調などの副作用も少なかったそうです。
脳や神経にもやさしい働きが?
水素はとても小さい分子なので、「脳のバリア」も通りやすいと考えられています。
ある試験では、心停止した患者さんに水素ガスを吸ってもらったところ、生存率や脳の回復がよかったという結果もあります。
また、動物の研究では、ストレスによるイライラや不安を和らげる効果も示唆されています。
今後は、認知症やパーキンソン病のような神経の病気に対しても研究が進められる予定です。
安全性について知っておきたいこと
水素は、濃度が高くなると引火の可能性があります。
でも、健康目的で使う1〜4%の範囲では安全性が高いとされています。
これまでの研究でも、大きな副作用の報告はありません。
ただし、妊娠中の方や重い病気のある方、薬を服用している方は、必ず医師に相談してください。
水素吸入は、薬の代わりではなく、「健康づくりのサポート」として使うのが基本です。
おわりに
水素ガス吸入は、からだにやさしい方法でセルフケアをしたい方におすすめの選択肢のひとつです。
リラックスしたい。
血圧や血糖値が気になる。
肝臓をいたわりたい。
そんな方が、生活習慣の見直しとあわせて取り入れることで、心と体が少し楽になるかもしれません。
まだ研究途中の部分もありますが、正しい知識と使い方を心がければ、安心して活用できる方法です。
毎日のケアに、やさしいひと工夫として「水素ガス吸入」を考えてみてはいかがでしょうか。